Akutagawa Ryuunosuke & Hori Tatsuo
Tacchanko, d'you have tobacco or a pipe? I'd like to borrow some.
うーん、タバコ切れちゃった……パイプも忘れたし……
辰ちゃんこー、タバコかパイプ持ってない？ 欲しいんだけど
芥川さん、吸い過ぎですよ。程々にしたほうがいいんじゃないですか？
More importantly, do you have them or not?
いやだよ。これがないと僕の頭は働かないし、筆も進まないんだからね。
それよりも、持ってるの、持ってないの？
僕は全く吸いませんけど……パイプは持ってますよ、どうぞ
Huh, this...... I gave this to you quite a while back, didn't I?
ありがとう！
あれ、これ……うんと昔に君にあげたものだよね？
I've always carried it.
そうですよ。あなたの形見としてもらったものです
ずっと持っていたんですよ
You're a good kid...... There, there.
辰ちゃんこ……ありがとう……
本当に君は良い奴だね……よしよし
もう、いつまでも僕の事を、子ども扱いしないでください……
Hagiwara Sakutarou, Kitahara Hakushuu & Muroo Saisei
白秋先生……！お会いしたかったです……こんなところにいたら孤独で孤独で……
It seems like your signature monophobia is acting up again today...
わかったよ、わかったから抱きつくのはよしてくれ給え
今日も君はお得意の孤独病を発症しているみたいだね
I'll snap!
ちょっと！いつも尊大さがにじみ出ている白さんといえども朔を馬鹿にしないでください！
俺キレますよ！
犀はキレると椅子を振り回したりで手を付けられなくなるんです……
Really, why is it that only difficult people like you two gather around me?
僕はだれも馬鹿になどしているつもりはないのだけれど……
全く、僕の周りに君たちのような扱いにくい奴ばかり集まるのは何故なのだろうね
はあ、詩人なんてみんなそんなものじゃないですか？
先生の詩の真の美しさは、一般人には理解できませんから……
……やれやれ、君たちは僕の才能が呼んだ宿命のようなものなのかもしれないね
Sakaguchi Ango & Dan Kazuo
……あん？
あー、やっと起きたか安吾
……体中が痛いんだが。メガネも割れてないか？
Then you mumbled something about, "I can still do a back-flip." while rolling around.
気づいたか? お前が敵を倒した後、急に地面に倒れたんだ
そして「まだトンボ返しぐらい打てる」とかなんとか言いながらゴロゴロところがっていったんだ
俺はアンタが何を言っているか全く分からねえんだが
俺も何を見てしまったのかよくわかってないぞ
……そうか、まあいい。もう一つ質問があるんだが、いいか？
ああ、言ってみろ
右目だけ視界が狭い上、口の中で血の味がするんだが、それはなんでなんだ？
そりゃあれだ、メガネが割れた後もお前が暴れまっくたから、二、三発お見舞いしておいたんだよ
…………
やっぱり記憶に無いみたいだな？ちょっと力を入れすぎたか……？
……なあ、檀。肩を貸してくれ
……わかった。とっとと帰るぞ
Hori Tatsuo & Tokuda Shuusei
秋声さん、芥川さんのことを覚えていますか？
もちろんだよ。彼のことは忘れられるわけがない、色んな意味でね
よかったです。ここで覚えていないと言われたら困っていたところでした
……君は芥川さんとは親密だったものね
僕……これから芥川さんと会う時、なんて言えばいいかわからないんです
……うーん、昔と同じように普通に接してやればいいんじゃないかな
それで……いいんでしょうか
I understand how you feel, but it's better to greet them with a smile. Even more so for you.
僕だったら、仲良くしていた人に過去のことで変によそよそしくされると傷つくと思う
君の気持ちもわかるけど、笑顔で迎えてあげたほうがいいよ。君にとってもさ
はい……そう、ですね……
Tokunaga Sunao & Nakano Shigeharu
How 'bouts ya cut it like mine? I'll snip ya a good one!
しげじ！ いつ見てもボサッとした頭たい！
おりゃあみたいな頭にしたらどげんか？ バサッと切ってやるばい
い、いいよ......真似するのは君の書き方だけで十分だから......
もお、ほんっとしげじはウジウジしとるね！ その頭と一緒たい！
In any case, Sunao, you're always so lively - I'm jealous.
僕の髪は少しくせ毛なだけだよ......
それにしても、直はいつも元気だね、羨ましいよ
羨ましがってる場合ではなか！ そんなんでこれからの戦い超えられんよ！
そうだね......僕も、いつまでも昔を振り返ってちゃダメだね......
そうたい！ 全く、しげじは世話が焼けるばい！
はは、直はお母さんみたいだな
Itou Sachio & Tokutomi Roka
ねえねえ、ロカくん
なんだい左千夫くん
ロカの名前の蘆ってアシの花のことだよね。好きなの？
うん。「『蘆の花は見所とてもなく』と清少納言は書きぬ。然（しかれど）もその見所なきを余は却って愛するなり」
それ、誰の言葉？
僕だよ
あ、自分の言葉なんだね
あの清少納言も魅力がないと言った蘆が、むしろ愛しいんだ……まるで自分みたいだしね
何言ってるの、ロカくんは魅力がいっぱいだよ、まるで蘆の花みたいに。みんな、わかっているよ
そうかな……
……僕の好きな花はね、道端に生えているような素朴な野菊なんだ
野菊は本物の菊ではないかもしれないけど、その素朴さに花という美しさの本質がある……
そういう風に思うんだ
……それ、すごく素敵
だから蘆だって同じだよ、蘆は素朴なロカくんなんだ
左千夫くん……ありがとう
Yumeno Kyuusaku & Shimada Seijirou
島田さん、戦いの際に不思議な力を使うと聞き及びました
それは本当ですか？
あぁ……
オレは過酷な状況の下、この身に封じられた闇の力を解き放つ事ができる
平常時はこのベルトと鎖で抑え込んでいるんだ
それはそれは興味深い
そんな、なんの変哲もないベルトで抑えられるものなのですね
てっきり、アナタの精神力で封じこんでいると思っていました
そ、そうだな……
しかし、オレを覆う深い闇とオレ自身の自我は常に拮抗している
そのぎりぎりの状態を保っていられるのは、オレに偉大な力があるからこそだ！
スバラシイですね！
ますます興味が湧いてきました
是非とも、その偉大なる力でも抑えきれない闇の力をこの目で見てみたいものです
……それこそ真に私が魅了されるものですから
そ、そうか。だがこの力は簡単には現れない
残念だったな
ええ、残念です。本音を言えば、今すぐにでも見てみたいのですが
ふん、そんなことあってなるものか
なんたってオレは
人類の征服者にして、精神界の帝王！ ……でしたよね？
わ、わかってるじゃないか
もういいだろ！ オレは忙しいんでな！
ええ、またお話をきかせてくださいね
さて、アノ人の狂気に触れられるトリックは、と……
フフフ、次に会うのが楽しみですね島田さん
Suzuki Miekichi & Kitahara Hakushuu
白秋、また一緒に『赤い鳥』をやろうよ！
南吉と賢治と未明が童話を書いて、白秋と露風が童謡。絶対楽しいよ！
ふむ……せっかくだが、僕は遠慮させてもらうよ
君たちだけでやり給え
どうして？ みんな白秋が作った童謡を聴きたいって言ってたよ
僕は今でも、君の考え方には賛同しかねるのだよ
僕は詩にメロディーをつけて押し付けることはしたくないんだ
子供たちの口から自然にあふれる言葉や謡（うた）が最も尊いと思っている
三重吉、君はレコードや楽譜で子供に歌を強制しようとする
それは僕にとって許せないことだ
そんなことしてない
俺は、声を合わせて歌えば楽しいってことをみんなに教えてあげたいだけだよ
ねえ白秋、考え直してよ
僕はもう誰かに強いられて詩を書くことはしない
三重吉、君も理解してくれ
いやだ。俺は物分かりのいい大人になんかならない
いつか絶対に、白秋を納得させてみせるから……！
諦めないのは君の勝手だが、話は平行線だ。……僕はこれで
Shimada Seijirou & Saitou Mokichi
う、うう……もう嫌だ……この苦しみから解放してくれ……
おい君、大丈夫か。どこか痛むのか
触るな！ それ以上近づくと、オレの邪気がお前を食い殺すぞ！
苦しむのは……オレ一人で十分だ
……よし、試しにやってみろ
なに？
その邪気とやらを出してみてくれ
だから、この力を解き放つと、お前ら愚民どもにも類が及ぶと……
治療のためなら、多少の犠牲は覚悟している
さあ、島田君。一思いにやってくれ
…………
お、オレの事を馬鹿にしているんだろう！ どうせ大した事ないと高をくくってるんだな！
島田君。私は君の力になりたいだけだ
うるさい！ オレに関わるな！
…………
彼が自分の狂気を受け入れるには、まだ時間がかかるようだな
Dan Kazuo, Sakaguchi Ango & Oda Sakunosuke
安吾、織田作。やっぱり俺、やめるわ
おい檀……結論から話すな、せめて何の話か言えよ
珍しいやん、安吾が正論を言うなんて
俺はいつも正論しか言わねえよ。で、なんなんだよ
俺さ、もう悩むのをやめることにしたんだよ
But, seeing his smiling face, many of my doubts disappeared. It's fine this way.
俺はずっと、太宰にとって一番いいことはなにか……わからなかった
でも、あいつの笑顔を見てたら、いろいろ吹っ切れたんだよ。これでいいんだってな
おお……至言やな
Alright, let's aim to be proper men of degeneracy!
よくわからんが、アンタも堕ちたな！
おーし、このまま真の堕落男を目指そう！
断る
おう、檀ならそう言ってくれるって……って、断るんかい！
よく聞いてくれ安吾、俺は太宰やお前たちのように堕ちることはできない
それが悲しくもあったが……だからこそ、見守ることができるって気づいたんだよ
真面目やなー檀クンは
ホントだよ。まあ、そこまでいうなら見届けてもらうぜ、俺の堕ち様をな
The guy we rely on to the very end, of course it's Dan-kun.
ケッケッケッ、檀クンは太宰クンだけじゃなくて、無頼派みんなの保護者やもんなー
ワシら無頼派が最後の最後に頼るところは、やっぱ檀クンなんやな
ふっ、そうだな。俺は最後の防衛線として、お前たちを見張っておくよ